鉄の旅読みかけ


阿房列車
著者:内田百��
発行所:株式会社 筑摩書房

。。。こないだ内から、抜けかけた前歯がぶらぶらしている。帰って来る迄にどこか旅先で抜けるだろう。。。。折角の事だから、抜けた前歯を置き土産にして来ようか知ら。。。。舌の先で押して見たら、思ったより大きく動いた。行き著く前に落ちない方がいいから、そっとしておく。。。。

。。。太田川相生橋の上で自動車を降りた。。。。橋の上に起って見る川の向うに、産業物産館の骸骨が起っている。天辺の円塔の鉄骨が空にささり、颱風の余波の千切れ雲がその向うを流れている。物産館のうしろの方で、馬鹿に声の長い雞の鳴くのが聞こえる。。。。

昭和20年代半ばの紀行文
あほうれっしゃに乗って