にわとりサンポ

《おとこ友達との会話》白洲正子

◎鈴に救われて
深い山の中でたった一人きりになったりすると、・・・鈴の音がすると自分の存在がわかる…。
・・・
砂漠の中で一人キャラバンから離れて・・・砂漠の中は物音一つしないから何も見えなくなってしまう・・・何か音のするものを持っていないと気が狂いそうになるそうよ。


 この感覚はどこかで…と、思い出した。浄瑠璃寺を目指し行く山道でひとり、あたたかい陽ざしと天空を吹く風。竹林の中を歩く。風に吹かれた竹と竹が揺れ重なり、からころんからころん。その時の感触はいまだに。